(「セックスと嘘とビデオテープ」のもじり第X段・・・・なんだが、相変わらず苦しいな)
ニュースフラッシュで「マケイン、ペイリン氏効果で支持率リード
」なんてのを見てしまってどんよりしてしまったのですが、
ペイリン氏といえばこんな話がありました。
米大統領選:未婚の長女が妊娠 副大統領候補ペイリン氏
【セントポール大治朋子】米共和党初の女性副大統領候補に起用されたペイリン・アラスカ州知事は1日、未婚の長女(17)が妊娠5カ月だと発表した。大統領候補に内定しているマケイン上院議員側はペイリン氏の起用前から承知していたという。同党の基盤は伝統的価値観を重んじる保守層であるだけに、ペイリン氏にとって初の「火種」になる可能性も指摘されている。
同氏の声明によると、長女は父親の男性と結婚し、出産する予定。「(出産するという)娘の決断、祖父母になることを誇りに思う」としている。
今年4月にペイリン氏が出産した5番目の子供について、「長女の息子」とする中傷がインターネットで流れ、これを打ち消すため長女の妊娠を公表したという。同氏自身も人工妊娠中絶や銃規制に反対する保守派で、党内の保守層固めが期待されている。
中西部ミシガン州で遊説中の民主党大統領候補、オバマ上院議員は1日、「家族や特に子供の問題に立ち入るべきではない」と指摘。過熱する「妊娠」報道に不快感を示した。
俺の意見もオバマ候補と同じで「家族や特に子供の問題に立ち入るべきではない」なんですが、
しかし、共和党/ペイリン氏の支持基盤である保守層・宗教右派の普段からの主張といえば「若年層のセックスは不謹慎で、セックスや避妊に対する知識も若年層の性への関心を促進するから教えるべきではない」という現在の性教育に対する妄想批判、教育方針もあったわけで、
その保守のお偉いさんの子供が若年層でセックスを避妊をせずに楽しんでも「中絶させないで偉い」ってことになって、その「個人的な家族の話」で好感度があがっちまうような感じはちょっと筋違いなのではないかと。
経済基盤がしっかりしていない若年層の妊娠は、バースコントロールが推奨される近代国家にあってあまり望まれることではないし、
もちろん本人の希望があって出産を望むのであったら、母子家庭ないし低収入層の子供がいる家庭に対しての社会的サポートがしっかりしてこそ、喜ばしいといえると思うのですよ。
それにペイリン氏の娘さんは自分の子供をナニーにでも預けて復学し、キャリアを積んで「子供を産んだことを武勇伝にできる」経済基盤がありますが、
同じような「未婚学生の妊娠出産」を「貧困スパイラル」に陥っている層がやったら、就業に必要な知識や学歴を得ることもできずに子供を抱えて、出産する女性本人が困窮すること必須です。実際、「母子家庭の子供が母子家庭になって生活保護を受けざるを得ない状況になる」というのは統計でもでてたはず。
(貧困層の出産後の復学システムや、育児のサポートがしっかりしていればもっとゆるい「産みたきゃ産もう」的なバースコントロールでもいいと思うのですが、今は日本もアメリカもそんな気楽なこと言える状況でもないし。)
本来女性の側の権利で尊重されるべき「産む・産まない」「避妊をする・しない」選択を否定し利用している陣営を、
普段の主張と違うことが家族がやって、それを「誇りに思う」と言ってるからといって、自分たちの側に近しいような親近感を持って安易に支持を投げ与えてやるのもなんだかなあ、という気がしますよ。
最近たびたび引用してる「母たちの村」でも、割礼を受けさせようと子供の母たちに「子供をビラコロ(お清め・割礼をしていない女性)にしたいのか、結婚相手が見つからなくてもいいのか」と脅して性器を切り取り少女たちの心と体を刻み続ける集団は女だし、「イスラムの教えが割礼を必要としている」という嘘で女たちをたきつけるのは彼女たちの父親だったり夫だったりします。
女性はもうちょっと性に関する自分たちの権利を大事にしてもいいと思うんですが。
参考サイト
Dr.北村 ただ今診療中
「意図しない妊娠と出産がどれほどに女性を絶望の淵に追いやってきたか! 男性支配を許してきたか」